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規格住宅を家づくりのスタートラインに!?コラボレーションで実現するユーザー視点の商品開発とは?
introduction
「次の一手に悩む住宅業界のビジネスパーソンに向けて、住宅業界の様々な課題や今後のビジョンについて、新視点から捉えた情報を届けたい!」そんな想いでスタートしたのが今回の連載企画、その名も「ジューシン〜住宅業界新視点〜」。新たな視点から見た住宅について、LDPメンバーならではの切り口で紹介していきます。
数多くのコラボレーション住宅の開発に携わってきたLDPの田村が、コラボレーションの先にある規格住宅の可能性について熱く語ってくれました!
ベツダイ東京が考える規格住宅とは?
「こんな家に住みたい」を可視化した住宅
規格住宅は一般的に、用意された規格に従って建てる住宅のことを言いますよね。そんな中で、LDPメンバーが提案する規格住宅にはどういった特徴がありますか?

私たちが提案する規格住宅は、「規格」というベースにコンセプトをはじめとする「企画」の要素を加えることで、そこに住む人のライフスタイルがより鮮明にイメージしてもらえるような住宅のことを言います。
当初は、合理性や効率性を重視した「規格」の中にデザイン要素を加えることで、「ちょうどいい」商品をつくりたいと考えていました。しかし、コンセプトがしっかりした規格住宅が増えてきたことで「妥協の末の規格住宅」ではなく、「自分にぴったりな住宅」という理由で選んでいただけるようになる必要があると感じています。
そういった意味では、ユーザーが住みたいと思うであろうデザインを規格住宅を通して可視化しているというイメージが近いのかもしれないですね。

家づくりはもっと楽しめる
市場の変化とともにユーザーの認識も変わってきているということですね。

規格住宅ではありますが「そのまま建ててくださいね」という売り方はせず、家づくりを始めるベースとして捉えてもらえたらなと考えています。
じっくり時間とお金をかけて自分の想いをぶつけていく注文住宅もいいですが、多くの人はそこまで予算をかけづらいし、長い時間をかけて0から作っていくのって、思っている以上に大変なんです。ましてや、人生で何度も建てられるものではないですし。
まずは自分たちにぴったりだと思えるものを規格住宅の中から選んでもらって、それをベースに自分らしいアレンジを加えていくことができる…そんな家づくりのスタートラインに、私たちの商品があってほしいなと考えています。
アパレルショップのように、棚に並べられた商品の中から好みに合わせて家が選べる…といったイメージですかね。

そうですね!今やファッションや家電はオンラインで買うのが当たり前の時代。それに伴って、デザインの印象だけでものを選ぶのではなく、メーカーが掲げるコンセプトやスタイルへの共感がそのまま購買に結びつくことが多くなってきていると思います。
住宅も同じようにWeb上にある商品棚に常に商品が並んでいて、気になるものがあればそこから「家づくり」をスタートすることができる。そうするともっとハッピーな家づくりができますよ!ということを伝えていきたいなと思っています。
なぜコラボレーションに力を入れるのか?
「新しさ」に気づくきっかけに
LDPが提案する規格住宅の特徴として忘れてはいけないのが、業界の枠を超えたコラボレーションですよね。なぜここまでコラボレーションに力を入れているのですか?

一番は、ファッションブランドやインテリアブランドとのコラボレーションをかたちにすることで、これまで住宅業界になかった「新しさ」や「自由さ」に気づいてもらいたかったからです。
もともと住宅業界は、他業界のエッセンスを取り入れること自体が少ない業界でした。代表の林も含め、さまざまな業界・業種から住宅業界に入ってきたメンバーからすると、住宅こそファッションやクルマの延長で、自分たちのライフスタイルや好きなブランドと同じようにコンセプトやデザインから考えてもいいんじゃない?という想いが強かったんですよね。

コラボレーションを始めた当初は、周りから色々な声があったそうですね。

それまでコンセプトやデザインといった考え方を住宅のハードに取り入れる視点がなかったので、「え?何やってんの?」みたいな声は多かったです。
私たちにとっては「お菓子ブランドだってコラボレーションやってるんだから、どのジャンルでやってもいいじゃん!」っていう感覚でしたけどね(笑)
コラボレーションをやったからこそ感じるのは、建築や設計の部分は住宅会社や工務店が強いのは当然ですが、デザインの部分の発想や考え方は普段からライフスタイルの提案をされているブランドや、そこで働くクリエイターさんのほうがより柔軟で、新しいということです。そういったブランドとコラボレーションするからこそ、今のユーザーに響くアウトプットに近づけるのではないかと感じています。

カタチにしたいのは「四方よし」の住宅

コラボレーション住宅の強みはどういったところだと思いますか?

一つは、ブランドのエッセンスを取り入れた方が、ユーザーが潜在的に持つ「こういうの欲しかったんだよね」という住宅を表現しやすいという点ですかね。
もう一つは、ブランドとコラボレーションした住宅を取り扱っているという表現ができることですね。そうすることで、地域の中での他社との差別化やユーザーに認知されるスピードを加速させる武器として捉えていただけるのではないかと考えています。
言い換えると、ブランドとコラボレーションした商品が、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても役割を果たすのかなということですね!
これまで様々なブランドとのコラボレーションをしてきた中で、どういった変化を感じていますか?

ユーザー目線で言うと、「注文住宅じゃなきゃいい家は建てられない」と思わざるを得なかった状況に対して、ブランドの力を借りることで「こんな家に住みたかったんだ」という世界観を表現できたことが良かったなと感じています。
なるほど!開発側としても何か変化はありましたか?

「住宅とコラボレーションできる」という事例ができたことで、様々な業界の方から「住宅の領域に挑戦したいと思っている」とお声がけをいただける機会が増えたことです!
多くの業界の方が、本業のプロダクト領域以上にライフスタイルを絡めた発信ができないと、これからはブランドとしての世界観を表現しきれない…ということに気づいていらっしゃると思います。
コラボレーションされた中で、特に反響が大きかったものを教えてください。

発売から5年以上経った今でもNO.1の反響をいただいているのが、FREAK’S STOREとのコラボレーション住宅です。
お互いの想いが詰まった商品でもありますし、このコラボレーションを機にFREAK’S STOREさんとしてもブランド価値が高まったとご評価いただいたり、大きな反響が得られたことで加盟店さんにも喜んでいただけたこと、そして多くのユーザーに「こんな家で暮らしてみたい」と思っていただけたこと…まさに「四方よし」の商品がかたちにできたことが一番嬉しかったですね!

「規格住宅3.0時代」の到来!?今後の未来予測

規格住宅が家づくりのスタートラインに
これからの規格住宅、ズバリどうなっていくと思いますか?

Web業界において技術の進化や時代の変化を「Web3.0」と表現したりしますよね。これと同じように規格住宅も次は「規格住宅3.0」、つまり第3フェーズに突入するのではないかと予測しています。
第1フェーズは、規格住宅の勃興期。様々な住宅会社が規格住宅市場を掘り起こそうとした時期ですね。
「規格」から「企画」に少しずつシフトしていった2016年〜2017年頃が第2フェーズで、コラボレーションという考えを基に、規格住宅にコンセプトやデザインを落とし込み、ライフスタイルのエッセンスを取り入れようとする動きが目立つようになりました。
そして、これから始まる第3フェーズは、コラボレーションという考えは継続したまま、「規格住宅が住宅づくりのスタートになる」という世界観が広く浸透していくことになるのではないかと感じています。
先ほど話題に出た「規格住宅を家づくりのスタートラインとして活用してもらいたい…」ということですね!

はい。そのまま建ててというよりは、「やりたかったのはこういう感じでしょ?」というサンプルを提示してあげて、サンプルの中から選んだものにどう自分らしいエッセンスを加えていくか?、自分好みのものに貼り替えていくか?という躯体とデザインの張り替えをイメージしやすくするといった立ち位置が確立されるのではないかと思うんです。
もっと噛み砕いて言うと、「これが1,500万でできます!このまま買ってください」ではなく「こんなふうにデザインディレクションされた商品だと1,500万でできるけど、あなただったらどうアレンジする?」みたいな話ですね。
そのまま建ててもいいし、自由にアレンジしてもいい。入り口にベースとなるデザインがあれば、もっと家づくりを楽しめそうじゃないですか?

たしかに!その方が今まで以上に理想の家に近づける気がします…!

是非住宅業界の皆様にも、規格住宅の捉え方がこの先の5〜10年先の未来に向けて変わり始めているという事実に気づいていただきたいなと感じています。
今日からここにピントが合わせられたら、二番煎じ・三番煎じ…と言われない取り組みができると思うんですよね。
この先数年で間違いなく家の選び方が変わっていく。ここに注目すべきということですね!

そうですね!注文住宅の事例を並べている工務店がダメというわけではないのですが、他のユーザーから見るとお施主さまの思いが強すぎて参考にはならない…と感じている方が多いのではないかなと思います。反対にその役割を規格住宅が担えたら、もっと自分らしさを表現した家をつくっていただけるのではないかと思います。
家づくりのシミュレーションをもっと自由に
今後、規格住宅を使ってやってみたいことはありますか?

例えば、コラボレーションの市民権をユーザーさんに渡すのもおもしろいかなと思っていて!(笑)
Doliveでは「シミュレーション」をキーワードに家づくりを始めようという考えを広めていこうとしているのですが、例えば完全に無垢な箱の中にLIFE LABELやDoliveのデザインされた商品を参考にしながら自分でクリエイティブディレクションができちゃう家とかですね。
今後は、ブランドとのコラボレーションだけでなく「あなたとコラボレーションする」という考えも表現の幅としてあってもいいのではないかと思っています。
そういった、今までにない新しい家づくりの発想を広げていくことで、選択肢をもっと増やしていきたいです!

シミュレーションという考えは、ユーザー側だけでなく工務店側のメリットも大きそうですね。

そうですね。お施主様からPinterestのイメージ画像を並べてもらっても、そこから立体的にするのって結構難しいと思います。ですが、シミュレーションでデザインの貼り方のイメージや組み合わせが可視化できていれば、認識の齟齬がなくなり合理性と効率性も担保できるのではないかと思っています。
今後どういったコラボレーションをやってみたいか教えてください。
うーん…難しい質問ですね(笑)。
まだコラボレーションしたことがないジャンルがたくさんあるので、一見住宅と結びつきがなさそうなジャンルでも、本来はライフスタイルと密接に関連しているよね…みたいな驚きのあるコラボレーションを実現していきたいですね!きっとそれが、加盟店さんやユーザーにとって、新しい気づきや発見にもなると思うんです。
家は人がただ定住するための場所じゃなくて、ライフスタイルを楽しむ基地なんだよってことが表現できるようなコラボレーションを実現していきたいです!

今回は規格住宅をテーマに、LDPが強みとするコラボレーションに注目しながら今後の未来予測をしてもらいました!内容モリモリで、きっとお腹いっぱいになりましたよね(笑)
自社のブランディングを考える際やお施主さまと接する場面で、今回の情報が少しでも役に立つことがあると嬉しいです!
「ジューシン〜住宅業界新視点〜」では、今後も様々なテーマについてLDPメンバーが独自の視点から紹介していきます。次回もお楽しみに!
「規格住宅」についてより詳しく知りたい方へ!セミナーを開催中です!
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LIFE LABEL
家を、暮らしをもっとエンターテインメントに。
ライフスタイルメディア「LIFE LABEL magazine」を中心に、日々の暮らしを楽しむための情報発信や、新しいライフスタイルの楽しみ方を、住宅デザインとあわせて提案する住宅エンターテインメントブランドです。

Dolive
シミュレーションからはじめる家づくり。
家づくりを試せるシミュレーションアプリと、アイデア・ヒントが集まるメディアを中心に、ユーザー発想で住みたい家やライフスタイルを考えていくためのシミュレーションプラットフォーム。
さまざまなブランドやクリエイターの発想から生まれた住宅デザインも提案しています。
プロフィール
SV / General Manager 田村 友一