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住宅業界TOPICS

「住宅商品ではなく会社で選ばれる」。1人で年間30棟受注する社長の差別化戦略

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お金でも性能でもなく、コンセプトで勝負する

京都市内で住宅事業を展開する株式会社ハイトラスト。
もともと不動産仲介からスタートし、建売・規格・注文住宅へと事業を展開。生活を送る場所である「LDK」に、理想のライフスタイル(“L”IFESTYLE)をプラスするという意味を込めた「LLDK」の家づくりをコンセプトに掲げています。
代表を務める坂口さんが、営業活動から土地探し、住宅設計までほぼ全ての工程を1人で担当しながら年間約30棟を受注するという驚異的な成果を挙げています。
「大切なのは、お金で比較されるような土俵に立たないこと。お客様に『ここでしか自分が望む家は建てられない!』と感じてもらえるようなブランディングを意識しています」

SUUMOリサーチセンターによると、資材価格の高騰や人手不足を背景に、新築戸建て住宅の価格は上昇の一途を辿り、2023年には調査開始以降最高額にまで釣り上がっています。物件価格が上がり続け、消費者もコストパフォーマンスを気にするようになっている今、どのように「お金で比較される」世界から脱却すればよいのでしょうか。
坂口さん曰く、差別化を図る鍵は、お金でも性能でもなく「コンセプト」だと言います。

「まだまだ住宅業界では、性能をアピールする宣伝や、条件面から入る商談が多い。今どき性能は住宅会社によって大した差は生まれません。それにお客様自身も条件面から家づくりを考えがちです。でも、本当に大事なのは『お客様がどんな暮らしがしたいか』。
だから、ハイトラストの営業では、その一点だけをとにかく突き詰める。それだけで、他社と差別化できるんです」

「当社では、まずさまざまなコンセプトの住宅商品をリファレンスとしてお客様に提示。『この中から自分が送りたいライフスタイルを連想できるものを選んでください』と伝えるところから商談がスタートします。『海が好きだから』『クルマが好きだから』『ものづくりが好きだから』など理由は何でもいい。選んでもらった住宅商品のエッセンスを活かして住宅設計に落とし込んでいます」

しかし、実際に条件面を気にするお客様が多いのも事実。そういった側面に関しては、どのように捉えているのでしょうか。

「『自分たちらしいライフスタイルを叶えたい』という強いこだわりを持ったお客様が、ハイトラストの主なターゲット。『そこまでコストをかけてこだわらなくてもいい』というお客様には『一般的な建売住宅から探した方がきっと満足できるかもしれませんよ』と正直にお伝えしています。幅広い層のお客様を取り込むことももちろん大切ですが、『とにかく全員もれなく取り込もう』とするとブランディングがブレかねない。時には、振り切る勇気も必要だと思います」

均質化したフィールドを見つけて異彩を放つ

ハイトラストが拠点を置く京都は、景観条例によって設計に対する制約が厳しいことで知られている地域。しかし、坂口さんは「この制約を逆手に取ることで、差別化につながる」と話します。
「制約が厳しいということは、同じルールのもと似たような家が建ち並びやすいということ。その中で、どうやったら制約をクリアしつつ、異彩を放てるデザインになるかを考えるんです。それが成功すれば、土地の景観に馴染み、なおかつ人の心を掴む家になります」

均質化しているフィールドで異彩を放ち、差別化を図る。その意識は、「エリアの特性」といったシーンに限らず、「インターネット上での集客」でも同様だと言います。
「膨大な物件情報が掲載されている大手不動産ポータルサイトは、どうしても似たような住宅デザインが並びがち。その中で、個性的なデザインの物件が流れてくるだけで一際目立つんですよね」

LIFE LABELやDoliveを差別化のパートナーに

均質化したフィールドで差別化するために坂口さんが活用してきたのが、強いコンセプトと高いデザイン性を誇る規格住宅。LIFE LABELやDoliveを導入してブランディングに活かしてきました。ただ坂口さん曰く、「たしかに導入することで高い集客効果を期待できるが、その扱い方で意識しないといけないことがある」と話します。

「『人気の住宅商品さえ導入したら、お客様が来るだろう。受注が増えるだろう』と考えていたら上手くいかない可能性があります。たしかに大手不動産ポータルサイトに掲載したら、問い合わせは来るかもしれません。でも、大切なのは、その後。たとえば、お客様にとってみたら、アウトドアをコンセプトに据えたカッコいいデザインの住宅について問い合わせて、いざ商談に臨んでみたら、スーツの営業マンが出てきたらガッカリするでしょう。『本当に自分が好きなライフスタイルを理解してくれるのかな、叶えてくれるのかな』と不安になってしまいます」

「強いコンセプトと高いデザイン性の規格住宅は集客力があります。でも、大切なのは、『住宅商品でしか集客できない状況』にならないこと。住宅商品でなく、自社に興味を持ってもらうことが何より大切です」
自社に興味を持ってもらうために、坂口さんは「LIFE LABELとDoliveをとにかくインプットした」と言います。
「ライフスタイルで勝負するなら、その領域でずっと芯が通った発信をし続けているLIFE LABELやDoliveの世界観は信頼できる。私は代表の林さん含め、本部の方とディスカッションを繰り返すことで、一貫したライフスタイル提案を体現できるようにしました。自分にとって、LIFE LABELやDoliveへの加盟の目的は『規格住宅を持つ』ことよりも『規格住宅の開発者と直接コミュニケーションを取れる』こと。壁打ちを繰り返すことで、ブランドの世界観や規格住宅に込められたストーリーを自社にインストールできるようになるんです」

最後に、坂口さんが差別化を図る上での心構えについて話しました。

「『住宅商品ではなく自社で選んでもらう』までの道のりは長いもの。でも、他社とくっきり差別化され、『ここでしか自分が望む家は建てられない!』という独自の土俵をつくることができたら、あとは継続的に受注できるようになる。それまで辛抱強く『自社でしか建てられない理由』を追求し続けてほしいと思いますね」

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