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細部にまで込められた西海岸のラフな空気感。SEAWARD HOUSEに詰め込んだこだわりとは

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tamura

Dolive セールスディレクター

Dolive セールスディレクター

nannki

Dolive チーフアーキテクト

Dolive チーフアーキテクト

OCEANSらしい「大人のラフさ」が、多様性に富んだ西海岸の空気感を伝えてくれる

ーーまずはSEAWARD HOUSE PROJECTが始まった背景から教えてください。

田村:OCEANSとDoliveの最初の接点は、2020年に実施したタイアップ企画。Dolive商品を舞台に、OCEANSで活躍するモデル・マーシーさんを起用して、OCEANSの誌面やDoliveのWebメディアに掲載するコンテンツを一緒に制作したのがはじまりでした。

田村:そのときに完成したコンテンツがとても好評でしたし、僕たちとしても「OCEANSの世界観って素敵だな」と実感して。そこからDolive主宰の林がMCを務めるラジオ番組「What’s New FUN?」に当時OCEANS編集長だった江部さんをゲストとしてお招きしたところから、さらに関係性が深まり、「ぜひ一緒に住宅をつくりましょう!」という流れになったんです。
そこから水面下でプロジェクトを進行。2023年にOCEANSも編集長が交代し、キャッチコピーも「FEEL SO GOOD, isn’t it?」へと刷新して新たな展開を生み出すタイミングで、SEAWARD HOUSE PROJECTをリリースすることになりました。

ーーSEAWARD HOUSE PROJECTの開発は、OCEANSとしても新たなチャレンジになったんですね。

田村:これまでOCEANSとしては、読者に寄り添いながらさまざまな情報を発信していたんですが、どうしてもひとつひとつのコンテンツは暮らしのとあるシーンを切り取った断片的なものになりやすいという課題を持たれていたようです。でも、住宅プロダクトを開発することで、それらすべての暮らしのシーンが紡がれる拠点を手掛けられる。そのことに大きな意味を見出されていました。

ーーDoliveとしては、OCEANSのどのようなところに共感したのでしょうか?

田村:OCEANSといえば、「大人の男性」をコアターゲットに、特にLAを中心とするカリフォルニアからインスピレーションを受けたライフスタイルを提案しているメディア。そしてOCEANSが提案する西海岸のライフスタイルは、DoliveでもWTW HOUSE PROJECTやCALIFORNIA PROJECTとして表現しています。でも、「西海岸」と一口に言ってもその中身はかなり多様性があって。たとえば「日本」と言っても受け取る人やシーンによって想起されるイメージが変わりますよね。それと同じで、西海岸も切り取り方によって表情が変わります。

WTW HOUSE PROJECT
CALIFORNIA PROJECT

田村:たとえばWTW HOUSEが提案しているのは、どちらかというと陽気でアーバンな雰囲気。でも、OCEANSはどこか落ち着いた「大人のラフさ」が感じられる。そういったさまざまなファッションやライフスタイル、カルチャーが生まれている多様性に富んだ西海岸のムードを伝えるためにも、新たな切り口の住宅プロダクトをつくる意味はあると思ったんです。

一息ついたり、何かを企てる人生の「港」として

ーーコンセプトを開発するにあたっては、どのような議論があったのでしょうか?

田村:「OCEANS」という媒体名にもある通り「海」というキーワードを中心に考えました。そして、OCEANSとして海をどう解釈するかといったときに思い浮かんだのが「港」という考え方です。人生を航海に例えながら、その旅路を彩りたいという想いを持っているのがOCEANS。そんな長い航海を楽しむ人たちが一息ついたり、新しい何かを企てたりするときに寄港するような感覚で、住む人に寄り添える存在になったらいいね、とOCEANSの皆さんと話していたんです。
実際に住宅をかたちにしていく中でも、港の脇にあるような小屋や倉庫をイメージしながら開発していきました。

ーーSEAWARD HOUSE PROJECTという名前に込められた意図も教えてください。

田村:「SEAWARD」という言葉は、あまり聞き馴染みない方もいると思います。直訳すると「海の方へ」という意味。実はOCEANSにも「SEAWARD TRIP」という日本や世界で海を感じながら暮らしている人たちの視点や生き方を紹介する人気連載コンテンツがあります。「海を感じながら暮らす」という点で、今回の住宅プロダクトとこのコンテンツで伝え続けてきたエッセンスには共通するところがあると思い、SEAWARD HOUSE PROJECTという名前を採用しました。

ゆるい西海岸のライフスタイルを、ディテールでも表現

ーーここからは、SEAWARD HOUSE PROJECTのディテールについてお聞きしたいと思います。設計のこだわりについて教えてください。

田村:デザインに関しては、1年半近くOCEANSと議論を重ねながらかたちにしてきました。やはりイメージの源になったのは、OCEANSともゆかりのある、カリフォルニアのサーファーの住宅。そのビジュアルやデザイン、空気感が、今回表現したい住宅デザインとマッチしているよねと、よく話題にあがっていました。

南木:そんなサーファーの自邸をモチーフにしたので、フォルムは平屋ベースにしました。軒を下げて高さを抑えることで、ゆるい西海岸のライフスタイルをイメージさせるような設計にしています。
外壁は天然木と金属を採用。どちらも素材感を大切にして選定しました。天然木は経年変化を楽しめる素材なので、OCEANSらしい上質なラフさを表現できたと思います。

南木:また、SEAWARD HOUSE PROJECTの大きな特徴のひとつがストレージ。たとえば、リビングダイニングの壁一面を見せる収納にしたり、梁にサーフボードをかけられるようにしたり。そしてそれらをラフに使っても雑多にならないようにディテールを工夫しました。OCEANSの読者って、たくさんのモノをコレクションしていたり、一つ一つのモノに対するこだわりがある方が多いと思うんです。だからこそ、あえてモノを見せるギャラリーのような収納の仕方を提案しています。

田村:これも「港」というキーワードから想起した考え方でもあります。そもそも港って、常に何かが入ってきたり、出て行ったりする場所じゃないですか。SEAWARD HOUSE PROJECTも同じように、ストレージに何かを入れたり、出したりしながら自分の暮らしを編集していってほしい。どうしても収納というと「しまい込む」という閉じた表現になりがちだけれど、ここではがんがんモノを入れ代えながら収納を楽しんでほしいんですよね。
実はそれってOCEANS自身が、時代やトレンドが変わる中でも何かを選び取り、アウトプットし続けていた”編集”の営みとも通じることがあると思っていて。このストレージで自分らしさを編集してもらえたらうれしいですね。

南木:デザイン性を担保しながらも暮らしやすい動線。これもこだわったポイントです。正面から見たとき大きなアクセントになっているのが外壁と一体の板塀。もちろんエントランスからも家の中に入ることができるのですが、板塀の右側から回り込んで直接ウッドデッキにアクセスすることもできる。板塀の裏側にはオプションで屋外シャワーを設置することを想定しているので、海から帰ってきたあと家の中に入る前に身体を流すことも可能。板塀が正面からの視線を防いでくれるのでプライバシーも確保できます。

田村:この設計は、もちろん海から帰ってきたときだけじゃなくても使い勝手がいい。たとえば犬の散歩から帰ってきて足を洗う際にも最適だし、外で遊んで帰ってきた子どもたちが汗を流したりするのにも便利です。ウッドデッキから土間、お風呂がつながっているので、家の床が水で濡れたり、砂が落ちたりせずに済みます。

SEAWARD HOUSE PROJECTのプラン

「こんな暮らしをしてみたい」という気づきを多くの人に

ーーこの家をどんな人に楽しんでもらいたいですか?

田村:海がテーマの家ですが、サーファーや海好きの人に限らず多くの人にフィットする家だと思います。もちろん西海岸はキーワードとしてありつつ、そこから生まれるカルチャーや空気感を好きな人ならきっとSEAWARD HOUSE PROJECTを気に入るはず。アウトドアギアを愛でたっていいし、ウッドデッキでゆったりヨガを楽しんでもいい。もともとインドア派の人も、SEAWARD HOUSE PROJECTで暮らすことでアウトドアに目が向くかもしれない。とにかくこの家を使って、自分らしい暮らしを表現したい人にはぴったりの家だと思いますね。

ーー最後に読者にメッセージをお願いします。

田村:SEAWARD HOUSE PROJECTでは、OCEANSというメディアが発してきたメッセージを住宅に落とし込むことができたと思っています。多くの人が一度は目にしたことがある国内最大級のメンズライフスタイル誌のPR力に、住宅業界のトレンドでもある「平屋」というスタイルが組み合わさった。ここから「こんな暮らし方してみたいかも」と気づく人が増えたらいいなと思います。

南木:OCEANSと何度も議論を重ねながら辿り着いたのが今回のデザイン。自分でもかっこいい住宅プロダクトになったと自負しています。早速ありがたい評判も頂いているので、引き続き多くの方に届いたらいいなと思いますね。

OCEANSとは?

2006年2月24日創刊。30〜40代をターゲットとしたメンズファッション誌として始まり、今では、月間1800万PV/300万UUを持つWebメディアとしても、多くの読者・ユーザーに支えられている国内最大級のメンズライフスタイルメディア。昨年からは公式YouTubeもスタートし、タレントやアーティストとのコラボで人気を博し、1年でチャンネル登録者数が7倍に、総再生時間は1000万を超える。 2023年7月号からは本誌をリニューアル。「Feel So Good, Isn’t it? 〜気持ちよくない?〜」という新たなキャッチコピーのもと、ファッションとライフスタイルの提案を通じて読者の日常をより豊かでハッピーに彩ることを目指す。