これからのマーケティングは “仮説の需要”がカギ!?
introduction
「林P(はやぴ)の脳内探検」は、LDPの代表であり、プロデューサーでもある林哲平の頭の中を探検しちゃう企画。
今でこそ住宅業界のパイオニアとしてヒット商品を生み出し続けていますが、そこに至ったきっかけや経緯とは…。スタッフでさえも理解不能?!林哲平を徹底解剖いたします。
第5回目は、RE住むリノベーションからDoiveメディアの誕生秘話、2022年秋にローンチしたDoiveアプリに至るまで、住宅業界のこれからをマーケティングやPR的な観点を織り交ぜながら語り尽くしました。
〈これまでの記事はコチラ〉
・その1 LDP代表「林哲平」プロデューサー脳誕生のきっかけとは!?
・その2 ロジックよりも大切なのは “熱量”とトガった情報量
・その3 マーケティングを極める理由は、めんどくさがり屋にあり?
・その4 正解を求めるよりも、大切なのは判断することなり。
リノベーションブームのときに生まれた「RE住むリノベーション」。
そこから「Dolive」に変わったのはなぜですか?
「Dolive」はどういう目的でスタートしたんですか?
林P
「Dolive」プロジェクトの初期段階で、リノベーションや新築といったカテゴリーではなく、住まいをつくるという発想やイメージができる事業体にしたいと考えていたんです。将来的に、シミュレーションしながら家づくりするアプリを作りたいと思っていて、アプリを成功させるためにまずはメディアをリリースしました。そしたら家づくりのアイデアとしてのコンテンツが思ったより反応がよかったんですよね。自分たちで運営しているメディアが注目されなかったら、アプリ開発に進めてなかったかもしれないですね。
時代が変わってきて、以前のように影響力を持つ媒体が少なくなってきています。その状況も見極めながら、キュレーションメディアやポータルサイトよりもオウンドメディア…つまりスモールマスと呼ばれる市場に少しずつシフトしてきました。これからは、それぞれが言いたいこと・やりたいことをアピールするメディアを立ち上げる時代。サービス力や商品力の高いメディアには人が集まって、どんどん面白くなっていくでしょうね。
Doliveのお披露目会もありましたよね!
林P
「Dolive VISION」というイベントを始めたのが確か2000年ぐらいだったかな。LIFE LABELも含めて遡ると、2013年くらいからリアルイベントを開催していますが、毎回僕がプレゼンすると、オーディエンスの皆さんをポカンとした表情にさせてしまいます(笑)。「エモーショナルでスピードが早すぎるから追いつけないよ」とか言われますが、毎回、同じことを繰り返しているだけなんですよ。「イマジネーションとは?シミュレーションって?リファレンスって何?」っていうことを、いろんな角度から繰り返してるだけなんです。
Dolive Visionにはたくさんのパートナー企業が参加していますよね!
どんな想いを届けようと思って臨んだんですか?
林P
世の中にいろいろなレーベルやブランドが浸透して、いろんな業界が新しいフレームになっているのに、なぜ、住宅業界は今だに図面や打ち合わせがって言ってるんだって思うんですよ。エンドユーザーが好きなものを見つけるために、好きを見つけられる状況を作りだしてあげるのが営業やPR活動に励むプレーヤー。今の住宅業界にはそういうプレーヤーが少ないんじゃないかな。なので僕は、「この業界でユーザーの好きを見つけられるツールを作りたい!」と伝えています。
なるほど〜。だからユーザーの“好き”を見つけるためにバーチャルの世界観を持つアプリを作ったってことですか?
林P
そうです。今回、デジタルやバーチャルの世界というのは重要なキーワード。市場を作るためにいちばん最適なものをデジタルやバーチャルの世界を通じて選択しているっていう感じですね。
以前、オーナーが別荘として利用するか、ホテルとして貸し出すかを使い分けられるホテル兼住宅「NOT A HOTEL」がリリースされたとき、とある社長が「絶対成功しない、あんなの成り立つわけない」ってすごく揶揄していたんですよ。確かにその時は時代が早すぎたのかもしれないけど、今ではテクノロジーが揃っていて、購入後のイメージがしやすくなっています。イメージに付加価値が生まれて、いろいろな人たちに訴求できるツールまで揃ってきた。以前は、供給する側は供給したいものを、まず作ってから需要を作り出すか、完全に需要があるものに対してオーバーロープしていくかでした。今はテクノロジーが進化しているから、仮説を立てて、まず需要を作り出すことで、価値を生み出すことができる。その仮説が現実のものとなったとき、供給側が思い描いた需要がリアリティを持って広がっていく世界観があると思います。
営業さんがユーザーに対するスキルも大きく変わるかもしれませんね。
林P
家を売るというプロセスの中でエンドユーザーにコミットするとき、「どんなスキルが必要なんだろう」って改めて考え直すチャンスなんじゃないかなと思います。収入はいくら、組めるローンがいくら。じゃ、家族は何人構成で、こういう動線の間取りを作って。こういう外構で、最低限車を2台置いて…そんなことはもう不要。若い世代には、家づくりをするときにトキメキがないと響かない。じゃあ、彼らの好きを叶えるためにどうするのか。住宅のことだけに知見のある営業マンよりも、「このデザインの方がかわいいですよ」って、パッとオシャレなデザインを提案できるスキルを持っている営業マンの方が、しっかりとコミットできる、そんな時代だと思います。
Re住むリノベーションからDolive立ち上げ、林Pが考えるこれからのマーケティング論まで、ディープなネタが満載の脳内探検。
いよいよ次回は最終回。住宅業界を変えるアイデアなど、まさに集大成!?のようなネタが盛りだくさんです。お見逃しなく!
「RE住むリノベーション」では、全7パターンでリノベーションプランを展開していたんですけど、「もっとお客さんの“住みたい”」という気持ちをベースにした家づくりが必要だと感じて、「Dolive」プロジェクトを立ち上げました。