住宅ラインナップ、ブランド力…。施工技術が強みの工務店に必要な、3つの武器とは?
INDEX
introduction
ひと口に工務店・住宅会社といっても、その成り立ちは様々。その中で、高い技術力を持つのが大工・技術職から開業した工務店。ただ、こうした工務店は、技術力には自信があるものの、商品をどう増やしていくか、PRはどうしていくかなど、技術以外の部分に悩まされていることも。施工技術に強い工務店が、どんな課題を抱え、どう解決したのか?Doliveの取扱店でもある3社のインタビューからお伝えします。
提案力をアップさせた、「住宅ラインナップ」
埼玉県で注文住宅を中心に事業を展開するビーコンワークス。社長の坂井さんは大工からキャリアをスタートさせ、徐々に家づくり全般を手がけるようになりました。しかし、事業を拡大していく中で、ある課題を感じていたといいます。
「当社の主力事業は注文住宅。ところが、なかなか理想のテイストでデザインしようとしてもお客さんに刺さる提案をするのは難しかったんです」
そんな悩みを抱えていた坂井さんですが、あるアドバイスで規格住宅に注目するようになります。
「『建物を建てるスキームを工夫するよりは、住宅商品のラインナップを充実した方が良い』と言われました。そのアドバイスの通り、商品展開に課題を感じていたんですよね」
お客さんの要望を叶えるには、自社の商品だけでは限界がある。そう考えていた時に出会ったのが、Doliveでした。
「Doliveの商品を使えば、提案できるテイストの幅も広げられるし、優れたデザイン性も担保できる。この違いは大きかったと思いますね」
また、Doliveの思い切ったデザインが、冒険してみたいというお客さんの後押しになることもあると、坂井さん。そんなDolve商品を活用して、地域で選ばれる会社になることを目指しています。
「当社は、大工出身の会社。お客様のニーズがあれば、どんなユニークなオーダーにも対応していく自信があります。まずは地域に根を張り、お客様からの信頼を獲得し、着実に地盤を固めていきたいですね」
自社で営業をかけていく。その助けになった「ブランド力」
一方で、自社ブランディングや発信力を高めることに繋がったと語るのが、石川県で事業を展開する伊地知組。同社も、大工からキャリアをスタートさせ、2012年からDoliveの姉妹ブランドLIFE LABELに加盟。徐々に家づくり全般を手がけるようになっていきました。
「LIFE LABELのブランド力、商品力、発信力を活かして自社のブランディングを続けてきました。ユーザーの暮らし方に合わせた規格住宅商品のアレンジ、InstagramをはじめとしたSNSでの発信、雑貨などを扱うショップの展開……。家だけではなく、ライフスタイルの提案を意識していくことで着実に成果を挙げてきました」
LIFE LABEL導入で手応えを感じながらも、2018年にはDoliveも導入。さらなる導入を決めた理由は何だったのでしょうか?
「自社のブランディングをさらに強化していくためです。DoliveならLIFE LABELではリーチできなかった層にも、アプローチができるようになるのではないかと思ったんです」
また、アパレル業界出身者などが多い同社では、デザイン性の高いDolive商品が社員のモチベーションアップにも繋がったといいます。
「自分たちでも新しい住宅商品を考えたくはないのか」と言われると嘘にはなります。でも、すでに自分たちが良いと思っている商品があるのであれば、それらを取り扱い、強みとして打ち出していくことが、お客様に喜んでもらえる近道だと思うんです」
お客様とのコミュニケーションの溝を埋める「アプリ」
コミュニケーション面での改善ができたと語るのは、陽吉建設有限会社の齋藤社長。島根県で注文住宅を中心に事業を展開していた同社は、事業を拡大するために規格住宅を扱うようになり、Doliveの導入も決めました。
「ありがたいことに『陽吉建設っておしゃれだよね』という声もいただいていたりはしていたのですが、それに対して違和感もあって。というのも、自分たちの中では『これをおしゃれって言っていいのかな?』『もっと本当はデザイン性の高い家をつくりたい』という感覚が、どこかあったんです」
注文住宅は、ゼロからユーザーの要望に応えていくもの。ただし、外観、床、壁、クロスなど、全体の統一感を出しながらデザインすることは意外と難しく、お客さんの要望と、プロとして「本当は、こっちの素材を使った方がかっこいい」「この色味で統一した方がバランスがいい」という気持ちの間で揺れている部分もあったといいます。
「お客様との会話で理想の家を見つけるのって難しいんですよ。そんなとき、アプリ内にあるシミュレーションツールでイメージを可視化すれば商談もしやすくなる。平面図よりも圧倒的にわかりやすいし、そもそも時間をかけて図面を起こす必要もない。しかも、その場で簡単に外観や内装のデザインをアレンジして提示することができる。大まかなお客様の好みを知りたいときには最適ですね」
さらに、統一感のあるデザインパッケージを、選んだ躯体に合わせて展開する。そんなDoliveの「スケルトンインフィル」という考え方にも共感していると、齋藤社長。
「どんな“ハコ”にするかが決まれば、あとは、そこにどんなデザインを載せるか。こういったスタイルは、わかりやすいし、私たちも取り組みやすいので助かりますね」
大工出身の工務店の強みは高い技術力。その強みをいかしたまま、今の事業をさらに良くしたい、下請けのままではなく元請けを目指したいと考えている工務店にとって、規格住宅は状況を変える一手になるかもしれません。