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住宅市場 マーケティング
編集チームが語る「リシフト」を体現するメディア運用術
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商品開発の極意!ユーザーに響くクリエイティブ戦略とは?
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夢の大空間を実現させた住宅|ZERO-CUBE WAREHOUSE
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営業メンバーのアイデアから生まれた取扱店向けサービス。ブランドコンセプトを学ぶ研究会「LIFE LABEL LAB」
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懐かしさとFUNがいっぱい!|LIFE LABEL CAMP 2018 レポート後編
LIFE LABEL の「リシフト」が見据える世界観とは
INDEX
introduction
話題のプロジェクトをつくり出してきたLDP(LIFE LABEL&Dolive Project)。連載企画「#プロジェクトーク!」では、それぞれのプロジェクトを成功させるために意識しているポイントや“目の付けどころ”を、メンバーたちのインタビューとともにお伝えしていきます。
今回取り上げるのはLIFE LABELの大転換と、その中心で新しくリニューアルしたLIFE LABEL magazineの戦略。
2022年2月17日に公開されたLIFE LABELの新ブランドサイトでは、カルチャー雑誌のようなテイストにこだわり、サイトデザインと記事コンテンツを一新。LDPでは、そんな一連のリニューアルを「リシフト」と定義しました。今回は、そんな「リシフト」に込められた戦略や意図、具体的な取り組みについて前編後編の2本立てでご紹介。
前編では、「リシフト」に取り組むことになった背景や「リシフト」の全体像について伺います。
デザインやコンテンツを一新!メディアの大きな方向転換「リシフト」
2022年2月に生まれ変わったLIFE LABEL。サイトデザインはイラストを用いたナチュラルなテイストからカルチャー色の濃いポップなテイストに変更されました。また、新ブランドサイトの顔となるLIFE LABEL magazineのメディア戦略も転換。これまでLIFE LABELの住宅商品を舞台に展開していた施主の紹介や暮らしの楽しみ方の提案を刷新し、住宅商品にとらわれないかたちで記事コンテンツを展開。今まで以上に新しい暮らしの楽しみ方の提案やエンターテインメント性の高いコンテンツが充実するようになりました。
LDPでは、それら一連の取り組みを「立ち位置の転換」という意味を込めて「リシフト」と定義しています。
果たして「リシフト」とはどんな立ち位置の転換を目指した取り組みなのか、そもそもなぜ今「リシフト」が必要だったのか、そしてこの「リシフト」という言葉に込められた想いとは何なのか?
それらのテーマについて、3人のキーマンに話を伺いました。
「住宅会社のオウンドメディア」から「家を舞台にしたライフスタイルメディア」へ
――まずは「リシフト」に取り組むことになった背景について教えてください。
田村:2017年にLIFE LABELブランドを立ち上げて以来、「暮らしをもっとエンターテインメントに楽しもう」というメッセージを発信し続けてきました。ただ、これまでのようなLIFE LABELの住宅商品を舞台にしたストーリーだけでは、メッセージが伝えきれていないという想いもあったんです。
佐々木:また、時代とともにユーザー自身の価値観も変化するようになってきて。コロナ禍で家の中で過ごす時間が増えたこともあり、ユーザーの暮らしやライフスタイルへの関心はより高まるようになりました。そこで、「今こそ、ブランドのメッセージを体現するときだ」と考えてメディア戦略を大きく転換。思い切りアクセルを踏む覚悟を決めたんです。
太田:大切にしたのは、単に生活を送る上で求められる衣食住の1要素として家を捉えるのではなく、人それぞれに異なる人生のストーリーが紡がれる舞台として家を捉えること。そこで「HOUSE IS ENTERTAINMENT」というキーワードを掲げ、より純粋に暮らしを楽しんでもらうための情報発信を行うことに決めました。
佐々木:そんな観点で既存のLIFE LABEL magazineを見直していくと、住宅商品の販促を目的としたオウンドメディアでした。つまり、メディアは商品の下位概念だったんです。今回の「リシフト」ではこの立ち位置を転換。「まずメディアがあって、次に商品がある」……そんな設計にして、「住宅商品を売るためのオウンドメディア」ではなく、「家を舞台にしたライフスタイルメディア」としての性格を強めていくことにしました。
住宅購入に関心がない人もターゲット読者になる
――「住宅商品を売るためのオウンドメディア」から「家を舞台にしたライフスタイルメディア」へと転換したことで、具体的に何が変わったのでしょうか。
佐々木:ひとつの大きな変化は、ターゲットですね。これまでは、住宅購入を意識しはじめた顕在層をイメージしていました。具体的に言うと、住宅購入で決定権を持つと言われている20代後半から30代の女性。しかし、「リシフト」後は、暮らしを楽しみたいすべての人へと対象を広げることにしたんです。
太田:LIFE LABELというブランド自体、もはや「住宅商品の販促」という枠組みでは考えていません。言い換えると、自分たち自身が「良いな」と思う家の楽しみ方や価値観などを、エンターテインメントに伝えていく“箱”。だから、極端に言うと住宅購入に対する関心はなくても構わないんです。ユーザーの暮らしにまつわる関心事にとにかく寄り添い、彼ら・彼女らのアンテナにとまるような発信をすることが重要だと考えました。
太田:LIFE LABELというブランド自体、もはや「住宅商品の販促」という枠組みでは考えていません。言い換えると、自分たち自身が「良いな」と思う家の楽しみ方や価値観などを、エンターテインメントに伝えていく“箱”。だから、極端に言うと住宅購入に対する関心はなくても構わないんです。ユーザーの暮らしにまつわる関心事にとにかく寄り添い、彼ら・彼女らのアンテナにとまるような発信をすることが重要だと考えました。
田村:もともと私たちは、既存の住宅の購入の仕方にも疑問を持っていて。「住宅を買おう」と思い、土地を見つけたら「早く買わなくては」と焦って住宅ローンを考えはじめる……自分たちの理想を突き詰める前に手続きが優先されてしまいがちな現状があります。その観点で言うと、「住宅を買うor買わない」と考えはじめる前から、ライトなかたちで暮らしやライフスタイル、さらにはその背景にある住宅デザインの情報に触れておくことが重要だと思っていて。そうすると、いざ家づくりをしたときに、自分が満足いくものが手に入れられやすくなると思うんですよね。
「商品を売る」よりも「ブランドのメッセージを表現する」ことに集中する
――住宅検討者以外にもターゲットを広げながらメディアの立ち位置の転換を図っていったと。そうなると、運営の仕方も変わるのではないですか?
太田:まさにその通り。これまでのメディア運営ではLIFE LABELブランドの住宅商品を購入してくれたお施主様とのコミュニケーションを重視していました。「まずはLIFE LABEL magazineがお施主様の暮らしを取り上げる、取り上げられたお施主様はLIFE LABELブランドに対するロイヤリティが高まる、その様子を見た一般読者がLIFE LABEL magazineに興味を持つ」……そんな流れを想定していたんです。そのほかにも、読者参加型キャンペーンを行ったりと、商品購入者もしくは購入検討者とのコミュニケーションのハブとして機能していました。
そのような運営自体、重要な要素には変わりありません。しかし、より飛躍していくために、メディアの立ち位置を少し転換することにしたんです。つまり、多くのユーザーが考えている暮らしの楽しみ方や家との関わり方の一歩先を走り、新しい気づきや「こういう暮らし方、面白いなぁ、いいなぁ」と思ってもらい続けるためのチャレンジをする。そして、ユーザーのみなさんを引っ張っていき、多くの方がほんとうの意味で、HOUSE IS ENTERTAINMENTを感じてもらう……そんな取り組みをしようと考えました。
田村:ただし、これはブランドそのものがユーザーと全くコミュニケーションしなくなったわけではありません。メディアとして直接的に接点を担保しなくても、住宅商品を具体的に検討したい方に対しては、LIFE LABELが提供する「家づくりアプリ」というコミュニケーション手段もあります。そこで家づくりをシミュレーションしてもらったり、実際にLIFE LABELの住宅商品を購入した施主さんの暮らし方を紹介したコンテンツを楽しんでもらったりすることができるんです。また、LIFE LABELの取扱店のみなさまが日々ユーザーとコミュニケーションを取る中でLIFE LABELのグルーブ感を一緒につくっていただいているのも大きいですね。そのように「ファンとのコミュニケーション」という機能は別のかたちで担保する。そして、メディア自体は、商品を売るための“傘”から、ブランドとしてのメッセージを表現するための“傘”へと変える。こうすることで、ブランドとしての懐を広げようと考えています。
佐々木:これまでのメディア運営で重要視していた指標は、商品サイトが見られている数や資料請求数でした。でも、これから重要になるのは、どれだけファンが増えたかどうか。その母数を増やせば、結果的に販促にもつながってくるはずだと思っています。仮にメディアに触れた人の1%が取扱店さんに送客されるとしたら、母数が増えれば増えるほど多くのターゲットが送客されるはずですから。「ファンとのコミュニケーション」や「販促」など、過去の機能を捨てたわけではなく、取扱店さんとの連携やさまざまな施策を通じてよりブランドとして“立体的に”アプローチしていく姿に変わったと言えるでしょう。
田村:今まで取り組んできたことも決して間違いではないと思っています。だからこそ、「リシフト」という言葉を使っているんです。単純なリニューアルでも、リブランディングでもない。今まで大切にしていたことを引き続き大切にしながらも、役割を整理しながら、立ち位置や仕掛け方をシフトしていく……「リシフト」にはそんな意味合いが込められています。
メディアを、住宅商品を売るためのツールとして捉えるのではなく、ブランドのメッセージを届けるためのツールとして捉える。思い切った方向転換の背景には、たしかな戦略が込められていました。
後編では、実際にメディア運営の現場では、どのようなことを意識して、どのような取り組みを行うようになったのかをご紹介。どうぞお楽しみに!
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