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デジタル化に力を入れてきたLIFE LABELが、あえて“雑誌”をつくるワケ

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“リシフト”を踏まえた、LIFE LABEL発・3冊目の雑誌

2022年3月に刊行された、雑誌『LIFE LABEL magazine』vol.3。
LIFE LABELが雑誌を発行するのは、これで3冊目になります。

特に今回はLIFE LABELブランドの大転換後に出された、初めての号。新たなLIFE LABELを象徴するために、1冊目・2冊目からデザインやコンテンツをがらりと見直しました。

キーワードは、家を舞台にしたエンターテインメント。
クリエイターたちが、「家での物語」をテーマに映像作品を制作したら?
こんな暮らし方ができたら、日々がエンターテインメントになるのでは?
実際に家を自分らしいエンターテインメントの舞台としている人たちの暮らしは?などなど。さまざまな切り口で家をエンターテインメントに解釈している一冊になっています。

今回は、雑誌の制作に携わった5人のメンバーに話を聞きました。

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「Webとは役割が違う」今、あえてアナログな雑誌にこだわる理由

――そもそもデジタル化が進む今、どうしてアナログな雑誌にこだわるのでしょうか?

太田:これまでLDPは、Web上での情報発信に力を入れていました。しかし、Webだけではできないことがあるのも事実。紙ならではの質感を味わってもらったり、手元に置いて後から見返してもらったり。そういったアナログだから伝えられる良さも大切にしたいと考えています。

伊藤佳:情報の伝わり方もWebと雑誌では違うと思っていて。というのも、Webはどんどんコンテンツを追加・更新できますが、雑誌はページ数、レイアウト、サイズなど制限があります。そのため、「ここで伝えないといけないことは何だろう」と情報を吟味するのでメッセージが“濃く”なるんですよね。

寺田:Webって1回離脱したらなかなか戻ってこないじゃないですか。でも、雑誌って手元に置いてあれば気づかないうちにパラパラめくっていたりする。「何度も手に取る」という点では、コンテンツに対するトータルの滞在時間は長くなるんですよね。その分、ブランドへの理解が進んだり、愛着が育まれていったりするんです。

伊藤潤:また、「こんなおしゃれな雑誌を本屋さんに並べている」という実績をつくりたかったという想いもあります。不特定多数の人の目が届く場所でLIFE LABELの存在をアピールする。その波及力って相当なものだと思うんです。

小西:タッチポイントが増えることで、それまでLIFE LABELを知らなかった人にも、その存在を知ってもらうきっかけになるんですよね。実際にもともとLIFE LABELのことは知らなかったけれど、書店で見かけて初めて認知した方も多くいました。

LIFE LABELらしいエンターテインメントとは何か?

――雑誌『LIFE LABEL magazine』vol.2と、リシフトを経たvol.3では内容が大きく変わっていますが、具体的にどのような変化があったのでしょうか?

伊藤潤:これまでの号は「LIFE LABELの住宅商品をどう楽しむか」という視点で制作していました。しかし、vol.3からはLIFE LABELの住宅商品にとらわれず、家を舞台にしたエンターテインメントを伝えることに振り切ることにしました。

太田:家で起こるさまざまなシーンをエンターテインメントで解釈するんです。たとえば、子どもにとっての留守番は家という場所を気兼ねなく楽しめるエンターテインメントの時間だと捉えてみたり、ガレージはクルマを停めるだけの場所じゃなくて、クルマがある暮らしを楽しむエンターテインメントの舞台だと定義したりしました。

小西:特に施主インタビューは、大きく編集方針が変わったコンテンツ。これまでは空間の作り方など家という“モノ”にフォーカスを当てていましたが、今回は「DIYと愛車いじり」、「アウトドア」、「緑とアート」など暮らしそのものを楽しむという“コト”をメインに伝えています。

寺田:細かいところでは、写真の撮り方にもこだわっています。これまでは住宅商品を訴求しようとしていたため、物件の外観をメインビジュアルに置くことが多くありました。しかし、vol.3で伝えたいのは商品よりも、楽しんでいる姿。だからこそ、趣味にのめり込む施主さんの様子や趣味のアイテムを目立たせたりしながらデザインを制作していきました。

伊藤佳:また、巻頭企画には家を舞台にした動画アルバムメディアfilmbumの特集を配置しました。filmbum original は、俳優・タレントのMEGUMIさんや演劇モデルの長井短さん、映画監督の石井克人さんなどが参加した大型企画。「HOUSE IS ENTERTAINMENT」を語る上ではもっとも強力なコンテンツです。このfilmbumを巻頭に持ってきたことで、空間づくりを中心に伝えていた今までの雑誌とはトーンががらりと変わりました。メディアの意思やスタンスを示す強いメッセージになっていると思います。

――かなり大胆に変革したんですね。そこまでの大きな方針転換をかたちにするのは、大変だったのではないでしょうか?

太田:たしかに最初からスムーズに方針が見えていたわけではありません。発刊の1年以上前に行われたキックオフでは、先ほどの「住宅商品にとらわれない」という内容に逆行するような「ZERO-CUBE大解剖」といったテーマで検討されていました。

伊藤潤:「暮らしをエンターテインメントに表現する」という軸は決まっていたんですが、そもそも「エンターテインメントって何なんだ?」というイメージがあいまいでした。だからこそ、表紙や表面上のデザインだけを変えようとしたり、タイトルだけキャッチーにしようとしたり。迷走している時間もありましたね。

伊藤佳:でも、LIFE LABEL自体のリシフトの動きが本格化していく中で次第にイメージが固まっていったんです。特に「HOUSE IS ENTERTAINMENT」というブランドスローガンが定まったのは大きかったと思います。この言葉を指標にすることで、みんなのイメージが統一されていきました。

寺田:そして、統一されたイメージをもとに企画を再度練り直し。「この施主さんだったら、こういうシーンがエンターテインメントじゃない?」などと会話しながらコンテンツをつくっていきましたね。また、Webサイトのリリースに先がけて、表紙デザインが決まったことでブランド自体のリシフトも加速しました。LIFE LABELブランドが考えるエンターテインメントの姿をデザインによって可視化できたんですよね。そのことで、あいまいだった「エンターテインメント」という言葉のイメージが具体的になっていくような実感がありました。

読者に新しい“気づき”を与えたい

――さまざまな試行錯誤や変遷を経て、発行された雑誌『LIFE LABEL magazine』vol.3ですが、反響はいかがでしたか?

小西:アンケートの分析を担当しているんですが、「良い意味で住宅雑誌に見えない」という意見が多くて嬉しかったですね。これも「エンターテインメントに振り切る」という覚悟をきめたからこそ。その姿勢が読者のみなさんにも伝わっていたようで何よりです。
ほかにも「これは保存版です」「何度も読み直せるので楽しい」といった意見も。あえて雑誌をつくる意義がやっぱりあったんだと実感しましたね。

伊藤佳:購読層も幅広いんです。これまでの住宅雑誌は、住宅購入の主導権を握っていることが多い30代の主婦層がメインだと言われていました。でも、今回の雑誌の場合は20代から40代まで幅広い層に読んでいただいています。さらに読者の半分以上は男性。これには私たちも驚きました。

小西:きっと男性の場合、DIYやアウトドアといった趣味を楽しむ人が多いのも関係しているのではないかと考えています。この雑誌を届けることで「自分の趣味ってエンターテインメントだ」と気づいてもらったり、家での新たな楽しみ方を見つけてもらえたりしたらいいなと思いますね。

寺田:たしかに新たな“気づき”を与えることは、私たちが雑誌を通してやりたいこと。「今まで家は寝食のための場所だったけれど、もっと楽しい場所になるかもしれない」「自分なりのエンターテインメントを表現する舞台にできるんだ」……そんなことを感じ取ってくれたらとても嬉しいです。
まずはウッドデッキで朝ご飯を食べてみたり、屋上で家庭菜園をはじめてみたり、小さなことでも構いません。この雑誌がちょっとした行動の後押しになれたらいいなと思います。

――最後に、雑誌を手に取った方や、全国の取扱店さんに、伝えたいことはありますか?

伊藤潤:デザインも、コンテンツも、従来の住宅雑誌やカタログとは一線を画したものになっていると自負しています。この雑誌を並べておくことで、きっと「ここで家を建てたらなんだかおもしろそう」と思ってもらえるはず。そう考えています。

太田:スペックやディティールももちろん大切です。でも、LIFE LABELが届けたいのは、楽しい暮らしそのもの。そのメッセージを取扱店さんがわざわざ毎回口頭で伝えなくても、この雑誌は代弁してくれるはず。
ユーザーさんが家の中でどんな時間を過ごしたいか、どんな暮らしを送りたいか?そのイメージを膨らませるお手伝いができたらと考えています。

Webコンテンツの発信に力を入れているLIFE LABELが、あえてアナログな雑誌にこだわる理由……それはブランドの目指す姿を体現し、メッセージをより強く伝えることにありました。

“リシフト”後のLIFE LABELを象徴したvol.3。果たして、その次に待っているvol.4ではどのような展開が待っているのでしょうか。雑誌『LIFE LABEL magazine』のさらなる進化に期待です。

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